付録B Gitを教える・学ぶベストタイミング
授業での導入や、現場で新人にGitを教える際の参考になる内容です。
プログラミング学習には3つの段階がある
プログラミングを学ぶ過程は、大きく次の3つに分かれます。
第1段階:コードを書くことに慣れる
この段階では
- 変数
- 条件分岐
- ループ
- 配列
などを学びます。
ここではGitはまだ不要です。 理由は単純で、まだコード量が少ないからです。
第2段階:小さなアプリを作る
この段階では
- クラス
- メソッド
- 複数ファイル
を扱うようになります。
例:Program.cs、Student.cs、Form1.cs
この段階になると変更履歴の管理が必要になります。
第3段階:チーム開発
この段階では
- Git
- GitHub
- ブランチ
が必須になります。
Gitを教えるベストタイミング
結論:小さなアプリを作れるようになった直後です。
つまり
C#基礎
↓
小さなアプリ
↓
Gitです。
早すぎるGit導入の問題
初心者向け教材でよくあるのが「Git → C#」の順番です。しかしこれは多くの場合、失敗します。
理由は簡単です。コードの重要性がまだ分からないからです。
例えば git commit git push を説明しても、学習者や新人はこう思います。
「それ必要ですか?」
Gitが理解される瞬間
Gitの価値が理解されるのは、次の瞬間です。
「昨日まで動いていたのに壊れた」
この経験をしたときです。このとき初めて「履歴が欲しい」と思います。
おすすめの導入方法
① 事故を見せる
例えば if (score >= 60) を if (score = 60) にして壊します。そして言います。
「昨日のコードに戻せますか?」
② Gitを紹介
ここで「Gitは履歴を管理します」と説明します。
③ GitHub Desktopを使う
最初はGUI操作の方が理解しやすいです。
よくある失敗
commitの意味が分からない
学習者や新人は「saveと同じ?」と思いがちです。これは違います。commitは履歴の保存です。
一番重要なこと:commitコメント
Gitで一番大事なのはcommitコメントです。
悪い例
- update
- fix
- test
良い例
- ログインバグ修正
- 配列ループ修正
- Day3課題追加
これだけで履歴の価値が大きく変わります。
まとめ
Gitを教える・学ぶベストタイミングは
基礎文法
↓
小アプリ
↓
Gitです。Gitは難しいツールではありません。むしろソフトウェア開発を安全にするツールです。